カンボジアのこと~アンコールワット
この夏、休暇を利用して、ミャンマーとカンボジアへ行って来た。
その辺りのことを、思いつくまま、書いてみたい。
まずは、カンボジア。
カンボジアは、ずっと私の憧れの国だった。
いったい、いつからだったんだろう。
カンボジアを旅していて、ふと、そんな疑問が浮かんだ。
昔々。小学校低学年くらいの私が、父と二人、本を覗き込んでいる。
父は本が好きな人で、いつも本を読んでいた。
幼い私は、本の何が面白いのか、気になって仕方がなかった。
だから、文字ばかりの本の中で、唯一、理解できそうな挿絵や写真を見つけては、「これは何?」と訊いて、邪魔ばかりしていた。
その時、私が指差したのは、水平に長い、古びた石の建物がどうにか見て取れる程度の、画像の荒い小さな写真だった。
父はそれはアンコールワットだと教えてくれた。
「何がすごいの?」
と訊くと、父は探検家がアンコールワットを発見した経緯を語り出した。
ずっと長い間、地元の人たちしか知らない幻の遺跡だったこと。
探検家が、地元の人に案内を頼んで、ジャングルの奥深く分け入って行くと、突然、視界が開けて、目の前にアンコールワットが現れたこと・・・。
ずっと、忘れていた。
トゥクトゥクに乗って、アンコールワットへ向かう途中、思い出した。
現在、アンコールワットの周囲はきちんと整備され、目的地までスムーズにたどり着くことができる。
トゥクトゥクならではの心地よい風に吹かれながら、かつての探検家がしたような体験も、ちょっと味わってみたかったな、と思った。