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読書記録

 

学問の春―“知と遊び”の10講義 (平凡社新書)

学問の春―“知と遊び”の10講義 (平凡社新書)

 

以下、「」内は本文抜粋

 

エントロピー

「うんとわかりやすく言うと、変化を起こすためにエネルギーを使うと、目的と同じ分だけ乱雑なヘドロみたいなものを出す。要するに、合理性や効率性に抵抗する要素を出す。だからエントロピーというのは抵抗する要素、マイナスの要素ね。異質の物質がごちゃまぜになって運動が起こるとエントロピーが増大して自然現象は不可逆的に無秩序へ進むということ。これは完全に自然科学の用語だったんだけど、いつの間にか経済学とか情報科学とか、そういう分野でも使われるようになった。」

 

この説明は分かりやすい!

別の専門書一冊読んでも分からなかったエントロピーが、すっと頭に入ってきました

 

 

・遊び

「ということで遊びをゆとりと考えてもいいし、端っこに出てくる自由な部分と考えてもいい。遊びを難しく学問的に定義しなくても、自分たちが普段慣れ親しんでいる世界をずらすことでもう一つ別の世界を出現させる方法と考えればいい。(中略)文化とか国家というのは、遊びの部分が貧しかったら、全体的に貧しくなる。」

 

なるほど!確かに!

 

・ワンダリング・スカラー(放浪する学者)

「いつも未知の世界にあこがれて一所不住的に旅することが、その学問の生命の源なのかもしれない。かつてこう歌った放浪詩人、ヴィヨンのように。『贋金も鐚銭も持たず、東西に彷徨う仲間、/縦横才気の男、また聊か軽率な者共よ、/あまりに不動してゐると、その間に俺は死んで仕舞ふ』(鈴木信太郎訳)」

 

・旅

「この場合の『旅』とは、しかしかならずしも実際の移動をともなう旅行だけを意味しないのだと思う。むしろ世界の正体についてどこまでも知ろうとし、表現しようとするクリティカルでクリエイティブな態度。つまり一枚岩的に凝り固まった常識的なものの見方の結び目を思い切ってほどいてみて、その向こう側にあるもう一つ別の世界の思考や想像力の翼を羽ばたかせること、そして旺盛な好奇心をもって出会いを恐れず、未知なるものとの対話を続けること。それがここで言われる知の技術としての『旅』ということなのではないだろうか。」

 

・学びのスタイル

「重要な理論との遭遇が、きまじめで神経質な研究上の義務感からではなく、放浪や出会いの気まぐれな偶然から生まれる、というのがいかにも山口流の学びのスタイルだ。」

 

 

一瞬で判断する力 私が宇宙飛行士として磨いた7つのスキル

一瞬で判断する力 私が宇宙飛行士として磨いた7つのスキル

 

 「重要なのは、『訓練を訓練と思って受けない』」ということだ。私は訓練も常に本番ととらえて取り組んでいる。それが限られた時間で行う訓練から、最大の教訓を得ることにつながるのだ。課せられた仕事を地上でするか、宇宙でするかの違いだけである。」

 

・仕事の10か条

1、Be Proactive 積極的に行動せよ

2、Take Responsibility 自分の仕事に責任を持て

3、Play Flat-out 全力を尽くせ

4、Ask Questions 不確実なものはその場で質問をして把握せよ

5、Tast and Validate All Assumption 考えられることはすべて試し、確認せよ

6、Write it Down 連絡も記録もすべて書き出せ

7、Don't Hide Mistakes ミスを隠すな、仲間の教訓にもなる

8、Know Your System Thoroughly 担当するシステムを積極的に掌握せよ

9、Think Ahead 常に、先を意識せよ

10、Respect Teammates 仲間に敬意を払え

 

 ・自分の血肉となるよう理解する

「本当に高い理解力につながるのは、『自分が納得するまで妥協しないで学ぶ姿勢があること』だと思う。」

 

・失敗から学ぶ姿勢が、次なる失敗をなくす

「重要なのは、失敗を隠さず、失敗に対して常に鋭敏にアンテナを張り、失敗から何かを学ぶ姿勢なのだと思う。やはり愚直なまでにそのような姿勢を貫くことで、また次の失敗の解決につなげていけるはずだ。」

 

・失敗の受け入れ方で、その人の成長が変わってくる

「何より怖いのは、自分の失敗に気付いていないことだ。」

 

・今、しなければならないことは何か?

「機体が安定したら次にすべきことは、機体の高度、位置、方位、進行方向を把握する『navigate』

。そして、『aviate』と『navigate』ができて、初めて航空交通管制官と連絡をとり情報を共有する『communicate』というわけだ。言い換えれば、『目の前におこっているトラブルを安全な状態に立て直す』『状況を把握する』『周囲とコミュニケーションをして状況を共有する』という順番になる。」

「順序を誤ると、大きなロスが生まれ、致命的な事態に至ることもある。」

 

・「悔いのない決断」をするために

「どんなことでも、最後に決めるのは自分であるべきだ。私の宇宙飛行士選抜試験にしても、ふつうに考えれば『職場に迷惑をかけてまで、受かる可能性の限りなく低い試験を受験すべきではない』というのも妥当な判断かもしれない。でも、『今ここで受験しなければ、きっと後悔するだろう。後悔を引きずるよりは、可能性は低くとも受験すべきだ』というのが、そのときの私にとっての合理的な判断だった。たとえ、決めるときに不安があっても、あとから振り返って『そのときは自分のベストな判断だった』と言えるくらいの自信が自分にあること。」

 

・成長のための「苦しい経験」は、未来につながる

「苦しい時期こそ、成長している。」

 

・その時点で自分が出せるベストな答えで動く

「宇宙飛行士として仕事を続けてきたなかで、私は何人もの優れたリーダーに巡り合った。彼らから学んだ一つが、どのような苦境にあろうとも、その状況を見極め、不完全な答えでもいいから、今その時点で自分が出せるベストな答えを出し、それに基づいて行動していくことだった。」

 

・求められるのは一点集中ではなく、全方位的な状況把握

「自分が何かに集中し過ぎていると気付いた瞬間、カメラのレンズがズームインからズームアウトするように、自分をとり巻く全体像にまで引いて俯瞰すること。」

 

・宇宙飛行士に共通する「自己管理能力」

「宇宙飛行士という人種に共通して言えることがあるとすれば、自己管理が得意で、向上意欲にあふれ、目標に向かって地道にコツコツ努力することをいとわず、バランス感覚を持っている、という点かもしれない。」

 

・ストレス

「ストレスを減らすことも仕事の一部。」

 

・「わからない」から恐怖する

「『正しく恐怖する』ことが大切なのだ。アメリカの思想家エマーソンは『恐怖は常に無知から生じる』という名言を残した。(中略)恐怖とは、いい意味で解釈すれば、探究心や好奇心にもつながる人間の根源的な心情とも言える。」

 

・自分で「変えられないこと」ではなく、「変えられること」に注力する

「『自分の努力で変えていける部分』と『自分の力ではどうしようもない部分』を明らかにして線を引いておく。そこを常に意識しながら生活していくと、ネガティブな無力感に引きずられることなく、自分の努力しだいで確実に結果が変わってくることに注力できるようになり、積極的な気持ちを保ちやすくなるはずだ。」

 

・「求められていること」と「やりたいこと」が同じベクトルを向くこと

「人から認めてもらうために大切なのは、『今、自分が何を求められているか』を常に意識し、把握しておくことである。そして『相手が自分に何を期待しているのか』を認識することが不可欠だ。それによって解決すべき課題と、その優先度も見えてくる。」

 

・なぜ自分はこの仕事をしているのか?

「宇宙飛行士はたくさん苦労もあるが、無我夢中で追いかけたい仕事である。そして多くの支えがあって、私はこの仕事を続けることができている。自分なりに分析すると、原点を問い直して、自分自身で今の仕事を続ける理由に納得できているからこそ、私は歩みを止めず、壁があってもそれを乗り越えていけるのだと思う。挫折感や悲しみ、不安感は、無理に打ち勝とうとするよりも、まずしっかりと向き合うこと。」

 

心が変われば、態度が変わる。

態度が変われば、行動が変わる。

行動が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。

人格が変われば、運命が変わる。

運命が変われば、人生が変わる。       ウィリアム・ジェームズ(心理学者)

 

明日は何が可能になるだろう。月への移住、火星旅行、小惑星上の科学ステーション、異文明との接触・・・・・・。今は夢でしかないことも、未来の人びとには当たり前のことになるだろう。だが、こうした遠い惑星探査に我々が参加できないことを落胆することはない。我々の時代にも、幸運はあったのだ。宇宙への第一歩を記すことができたという幸運だ。我々のあとに続く者たちに、この幸運をうらやましがらせようではないか。 byユーリ・ガガーリン