朝の挨拶
脳がバグる、というつぶやきを読んで
近頃、教員として学校現場で働いている
毎朝、校門前に立って、登校してくる生徒ら一人一人に挨拶している
私には、昔から、個性際立つ方に渾名を進呈する癖がある
と、思っていたのだが、あまりにも個性豊かに登校してくる中学生達の天然な姿に、渾名は初日でネタ切れた
当たり障りのない例を挙げるなら、「サラリーマン」「野球部」「ウィーン少年合唱団」等等・・・
学校の制服はブレザーで、インナーのポロシャツに、長袖と半袖の二種類がある
まだ多少ぼんやりした頭で、校門前に立っていると、どうでもいい昔のことを思い出してしまう
かつて私は硬式庭球部に所属していた
公式戦で、襟付きのポロシャツを着用することになっていたため、練習でもポロシャツを着ることがあった
ある時、Tシャツもポロシャツも全部洗濯中という日があった
仕方なく、私は親の箪笥を物色した
運良くポロシャツが見つかり、持参
放課後、着替えてみて、初めてそのポロシャツが長袖であることを知った
が、あまり深く考えず、そのままジャージを羽織って、練習に参加した
しばらく体を動かし、暑くなってきたので、私は上に着ていたジャージを脱いだ
「ちょ、何それ!」「なんでなん!」「そんなん、あるん!」「隠すなや~!」
部員達の嘲笑に次ぐ嘲笑
中には涙を流して笑う者もいた
私は脱いだジャージを再び着た
そして、その日は、どんなに暑くても、決して上着を脱がなかった
朝、バグった頭で、登校してくる生徒達のポロシャツを見ていると、ついつい、当時のことを思い出して、笑ってしまいそうになる